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「早稲田」で繋ぐ経営者の意思

更新日:7月29日



今回は、早稲田大学OBOGのベンチャー経営者コミュニティ「一般社団法人ベンチャー稲門会」様への取材を実施。事務局としてコミュニティ運営に従事している戸塚様、清水様にインタビューし、ベンチャー稲門会の概要、大事にされていること、コミュニティにかける想いについて伺った。


プロフィール:

戸塚様(写真右):早稲田大学卒。新卒で大和証券で営業を経験し、その後入社した日本M&AセンターではM&AコンサルタントとしてIT業界のM&A仲介に従事。その後、ビットバンク株式会社にて事業開発、株式会社ディア・ライフではSES事業の責任者を務める。ベンチャー稲門会の事務局長を務めながら2024年5月に独立し、現在は株式会社Saiteki 代表取締役社長に就任。


清水様(写真左):早稲田大学2004年卒。中央青山監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)にて、内部統制監査や内部監査支援などに従事したのち、2018年に独立系M&Aブティックファームに取締役として参画し、上場企業や中小企業の主に売り手側のFA業務や、スタートアップの資金調達支援に従事。2020年に支援先であったモビリティシステムの開発を行うスタートアップに取締役CFOとして参画し、2024年4月に退任。現在は、アーリーフェーズのスタートアップを中心に、資金調達の支援や財務や経理を中心としたコーポレート機能の支援を行っている。

 

 

目次:

 

 

 

ベンチャー稲門会とは?



ベンチャー稲門会の概要を教えてください!

ベンチャー稲門会は、早稲田大学OBOGのベンチャー企業経営者によって形成されたコミュニティです。

元々2014年1月に、株式会社リンクアンドモチベーションの小笹芳央さん(同社代表取締役会長)、株式会社デジタルホールディングスの鉢嶺登さん(同社代表取締役会長)をはじめとする早稲田大学卒の上場企業経営者の方々8名と、早稲田大学の教授でいらっしゃる東出浩教教授の「早稲田大学卒業生発のベンチャーをもっと盛り上げていこうよ」という想いのもと立ち上がっています。
我々2人は2期事務局としてベンチャー稲門会の事務局を引き継ぎコミュニティの運営を行っています。引き継ぎ当初は60名ほどの会員数でしたが、現在は300名を超えるコミュニティになり活動も盛んになりました。

具体的にはどのような活動をされていますか?

定期的に交流会を実施しています。カジュアルに集まって食事をする会もあれば、 マーケティング、組織人事、ファイナンスなどテーマを絞り、会員の方々の中で各テーマに精通してらっしゃる方に登壇していただく勉強会なども実施しています。
また、年に2回「大交流会」という名前で、早稲田大学キャンパスすぐ近くのリーガロイヤルホテルで、100人以上の会員を集める大規模な交流イベントも実施しています。
よりカジュアルに集まれる機会として、部活のような活動もあります。メンバーは皆経営者なので、一番人口が多いのはゴルフ部で、50人以上のメンバーを有しています。年に一度、他組織とのゴルフコンペも開催しており姉妹組織でもある慶應大学出身者コミュニティの「ベンチャー三田会」との対決は盛り上がります。ベンチャー稲門会とベンチャー三田会の事務局同士はよく情報交換をするのですが、いい意味で早慶というライバル関係にあって、やはりお互い意識はしてしまいますね。会員数は我々稲門会が少しリードしています(笑)

 

会員様について

 


どのような方々がどのような理由で参加しているのですか?

ベンチャー稲門会は、早稲田大学と何かしら関わりがある、ベンチャー企業の代表もしくは取締役の方々によって形成されています。我々のコミュニティのルールとして「相互啓発」という言葉を掲げておりますが、お互いに学び合って成長していく意欲のある経営者の方々に参加していただいています。

会員様は同じくリスクを取って取締役以上の立場で経営に参画されてる方同士だからこそ、普段はなかなか話せない悩みなどを、コミュニティ内でお互いに腹を割って打ち明けられる空間を提供することを意識しています。例えば最近新たな取り組みとして力を入れている「4WD」という企画では、専門性や業種が近く同じ目線で話し合えるような4人のグループを作って、お互い徹底的に話をしていただくという企画を実施しています。

会員様のお声や実際にコミュニティから生まれた成功事例を教えてください!

一つ事例を上げるとすると、ベンチャー稲門会の幹事を務めていただいているSmartHR代表取締役の芹澤さんから、同じくベンチャー稲門会会員で、勤怠管理システム「Teasy(テイジー)」を開発しているFullon株式会社代表取締役CEOの木下さんを紹介して欲しいという依頼をいただきお繋ぎしたところ、そのご縁から事業としての業務提携につながったという事例*1があります。

一方、コミュニティ内で事細かく報連相の義務を設けているわけではないので、ネットワークがどこまで広がっているのかは全てを把握しているわけではありませんが、我々も事務局としてほぼ全ての企画に参加する中で、参加される経営者の方々から「本当にありがとう。楽しかった。」というお言葉をわざわざメッセンジャーでいただくこともあります。このようなお声を聞くと、やってきてよかったなぁととても嬉しく思いますね。


お二人が事務局として意識されていることを教えてください。

会員の方々が、何を求めてコミュニティに参加されて、どういう人との出会いを求めているのかを理解することを強く意識しています。

我々自身がコミュニティのリーダーとして、一人一人と仲良くなって 「この人とこの人を引き合わせたら、こんな良いことが起きそう」と頭に思い描きながら関係を構築・維持し、コミュニティ内で小さいグループがどんどん生まれることが理想的だと思っています。
ありがたいことに会員数が300名を超えてきて、事務局のコミットメンバーは数名ですので、一人一人との日々のコミュニケーションはまだまだ満足できるほど取れてはいない現状ですが、ご入会いただく際にはコミュニティとしての世界観や考え方をしっかりお伝えし何を求めて参加いただくかは必ずお伺いするようにしています。

 

コミュニティ運営にかける想い



現職との掛け持ちでの事務局運営はとても大変でいらっしゃるかと思いますが、どのような思いでコミュニティ運営に携われているのでしょうか?

戸塚様:「稲門会を拡大して、自分が受けた恩を人生をかけて後輩に返していく」という思いで携わっています。これまでコミュニティを運営する中で、名だたる経営者の先輩方から色々なアドバイスを受けて可愛がってきていただき、私自身もちゃんと成功していかないといけないという思いで、実は今年5月に自身の会社を立ち上げました。
もともと私は18歳の時に起業を意識し、大学時代の飛び込み営業のアルバイトを4年間続け、新卒で大和証券に入社後、日本M&Aセンターに転職をしています。その後、ベンチャー稲門会の事務局をやりながらディアライフという企業で新規事業のゼロイチの立ち上げを経験するのですが、そのディアライフの阿部社長との出会いが私の人生に大きな影響を与えました。


阿部社長とのエピソードについて教えてください。

阿部社長との出会いはベンチャー稲門会がきっかけです。

第1期の事務局の方々から清水さんと私の第2期に運営を引き継いだ頃、私とは別の方が事務局長をしていたのですが引き継ぎがうまくいかず、ステークホルダーと十分にコミュニケーションが取れていませんでした。そしてお忙しい方々なので当然だと思いますが、幹事と呼ばれる社長8人のうち5人が辞めてしまうという、ベンチャー稲門会存続の危機がありました。そのタイミングで誰かが代わりに事務局長を務め、新たに活動方針を示そうと事務局で話し、私が事務局長に立候補しました。そんな事務局長になったばかりの私が、幹事である上場起業経営者8名に対して「ベンチャー稲門会をこうしていきたいです!」と熱い想いだけを伝えるオンライン会議を実施したのですが、私の熱量も虚しく5名の方が辞めていってしまったんです。

そんな中、阿部さんが率先して「僕幹事やりますよ」と仰ってくださいました。それにインパクトホールディングス株式会社の福井康夫さん(同社代表取締役社長)、株式会社エスクリの岩本博さん(同社取締役 会長ファウンダー)のお二人も「戸塚を応援するよ」と続いてくださって、稲門会を存続することができました。阿部さんは、その後もサーフィンやサウナに誘っていただいたりと公私共にに良くしていただいて、 気づいたら私もディアライフの社員になっていました(笑)

ディアライフでは新規事業の立ち上げを経験させていただいたのですが、入社時、ベンチャー稲門会の運営に平日日中の時間を使わせていただくという、ゼロイチのフェーズでは普通有り得ない条件で入社させていただきました。 阿部さんには大変お世話になったので、3年はきっちりとやり切って貢献してから起業をしようと考えていました。
しかしそんな中、去年私の身内で不幸があり、自分もいつかいつかと言っているうちに死んでしまうかもしれないと思い阿部さんに「この半年以内に退職して起業したいです」とお伝えしたら「いつかやった方がいいと思ってたよ」という一言で背中を押していただいたんです。実際に起業後に報告をしに行った際も「何か困ってることない?僕にできることはある?」と聞いていただけたこともとても嬉しかったです。

阿部社長をはじめとする経営者の先輩方との出会いが戸塚さんの人生に大きな影響を与えていらっしゃるんですね。

私が事務局員だから言っているというわけではなく、ベンチャー稲門会で阿部さんや会員の経営者の皆様のおかげで今の自分の人生の選択ができていると本当に思っています。自身の会社を立ち上げた際も「とりあえず起業する」とだけ先に決めて走り出した形になりましたが、会員の経営者の方々が毎週壁打ちに付き合ってくださいました。
私が身をもって体験したように「何かを成し遂げたい」「自分で事業を作りたい」という思いを持っている若い方がいらっしゃったら、それを暖かく受け止めてくれる諸先輩方や、安心して飛び込んでもらえる環境がベンチャー稲門会にはあると思っています。私が受けたこの恩恵を人生を通じて後輩たちに還元していきたいです。

 

今後の展望についても伺いました!




ベンチャー稲門会として、今後目指されるビジョンを教えてください。

すごく理想的な目標を掲げるとすると「早稲田に入ったら起業を目指すのが当然だよね。起業目指すんだったら早稲田に入るよね。」という風土を作りたいです。そのために、ベンチャー稲門会が中心となって早稲田大学のベンチャー支援のエコシステムを作っていく構想を描いております。
早稲田大学出身者の方は大企業や政治の世界など、様々なフィールドで活躍されている方が多くいらっしゃるので、ベンチャー企業経営者がそういった方々とも「早稲田」というキーワードで繋がれるネットワークを創って行きたいと思っています。ベンチャー企業がビジネスを大きくしていくにあたり、大手企業との協業が生まれれば双方にとって大きなメリットになりますし、何かしらの法的規制があるような領域であれば、ロビーイング活動のような場面で政治家の方々との繋がりは重要だと思います。
「早稲田卒」という唯一無二のキーワードで、そういった方々同士が繋がれるような環境を作れたら最高ですね。

 

 

お二人の熱い想いをお聞かせいただき、ありがとうございました!

 




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