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一番のやりがいは、感謝されること


メッシュウェル

今回取材をさせていただいたのは、ESネクスト有限責任監査法人(以下、ESネクスト)で理事パートナーを務める落合誉様。会計士からキャリアが始まり、銀行、コンサルティングファーム、独立開業を経てESネクストへ。そんな落合様が大切にしているポリシーや良い企業、経営者の見分け方を伺いました。


プロフィール:

慶應義塾大学卒業。2001年、EY新日本有限責任監査法人に入所し、国内監査部門にて、主に上場会社・IPO準備会社の会計監査に従事。2007年、三井住友信託銀行株式会社、プライベートバンキング部にて、主に融資・証券代行営業等に従事。株式会社AGSコンサルティング(以下、AGSコンサルティング)では、当初4年間はM&A事業部にて、主にデューデリジェンス・株価算定・FA業務に従事。その後の7年間はIPO事業部にて、主にIPO支援業務を中心に従事し、多数のIPOに関与。2019年に独立開業後は、数社の社外監査役、IPO準備会社の支援業務を中心に従事。2020年ESネクストの創業から参画。


目次:


 


まずは落合様のご経歴からお願いいたします!

2001年、大手監査法人のEY新日本有限責任監査法人でキャリアをスタートしました。同法人では、上場企業やIPOを目指す企業の会計監査を通じて、企業の成長を支える仕事にやりがいを感じていました。しかし、監査法人以外の世界にも視野を広げようと思い、三井住友信託銀行に入行し、企業経営者向けに資産運用、融資等のアドバイスを行うなど、金融業界での経験を積みました。
しかし会計士を活かせるキャリアに戻りたいという気持ちがあり、監査法人時代に大変お世話になった先輩が役員をしていたAGSコンサルティングに誘って頂き転職しました。ここでは、M&Aに関するアドバイスやサポート業務、IPOを目指す企業へのコンサルティング業務等に携わりました。
その後、2019年に独立し、これまでの経験を活かして複数の会社の社外監査役やIPO準備企業の支援業務、財務DD(財務デューデリジェンス)や株価算定業務など、多岐にわたる業務に携わりました。
そして2020年7月、ESネクスト監査法人の設立にパートナーとして参画いたしました。

監査法人から銀行、そしてコンサルティング会社に転職された理由を詳しくお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?

30歳になった節目の年に、このまま監査法人で働くか、広い世界に出ていくか迷った時に、世の中の厳しさを知るためにも監査法人とは異なる世界を見た方が良いと思ったからです。自分の弱みを克服するという観点から、大企業で実務経験を積み、営業経験をさせていただくことが重要だと考え、大手銀行の営業職に転職しました。監査法人時代にはなかった新規営業やノルマに追われるという初めての経験から、入社3ヶ月でかなり痩せてしまいましたが(笑)、耐性を含め、それ以降の自分にとって非常に大きな経験になりました。
一方で、改めて強みを活かすキャリアを目指そうという気持ちが高まっていた中、お世話になった先輩に誘って頂いたこと、会計士のスキルを磨くことができることから、1年後にAGSコンサルティングに転職しました。

貴法人の設立の理由や背景を教えていただけますでしょうか。

2017年頃、有望なスタートアップ企業やリスクマネーが増加する一方、監査法人業界では監査の厳格化に伴う工数増加や働き方改革に伴う人手不足が生じ、「IPO監査難民」という言葉が生まれました。その状況はより厳しくなり、2019年には、金融庁にて「IPO監査難民の協議会」が発足するほど社会問題化しました。
このような状況では、日本の次世代を担う成長企業がIPOという成長機会を逃してしまうという危機感から、「IPO監査難民」という社会課題解決を通じて、次世代(ネクスト)の経営者(Entreprenrur)を支援する(Support)という設立理念を名前に付けて、2020年7月にESネクスト監査法人(現・有限責任監査法人)を設立しました。設立から4年経った今も、全く変わることのないミッションドリブンの監査法人です。

 

次はスタートアップについてお伺いしていきます。


落合様から見たスタートアップ業界の課題はどのように感じられていますか?

ご存知のとおり、企業経営・成長には、ヒト・モノ・カネ・情報というリソースが必要になるのですが、やはりヒト、特に若い方がいかにスタートアップの世界に来ていただけるかだと思います。日本では、大企業のサラリーマンや公務員等の安定志向が高い傾向にあります。そのため、優秀な若い方に対して、大企業勤務以上の魅力を発信することが重要かと思います。
私を含めた公認会計士は、より安定志向が高い方が多いと思います。したがって、若い公認会計士にスタートアップ業界やIPO監査の魅力を伝えていくのも私たちの大きな役割の1つと認識しています。

大企業以上の魅力は、どんなところだと思いますか?

ご質問の趣旨と少し異なってしまうかもしれませんが、監査という切り口で考えると、大企業中心の上場監査とスタートアップ中心のIPO監査に大別できます。上場監査では批判的機能が中心であるのに対し、IPO監査では指導的機能を発揮して、スタートアップの成長を支援する必要があります。
上場監査もIPO監査も社会的には非常に重要であることは前提として、IPO監査の方が手間がかかることもある一方で、ダイレクトに自分が役に立っていることを実感しやすいと感じています。誰かの役に立つこと、感謝していただけることで、役に立つ誰かの顔が見えやすいことが、非常に大きなやりがいにつながると思います。

特に貴法人の事業だと、感謝されること=社会課題解決への貢献になりますね。

そうですね。会計の世界では「ゴーイング・コンサーン(継続企業の前提)」という言葉があります。これは、企業が存続していくためには、一定の利益が必要不可欠であるという考え方です。社会課題の解決を事業としていくということは、裏を返せば、そこに確かな「ニーズ」が存在するということです。
ボランティア活動のように、収益を目的としない活動も素晴らしいですが、ゴーイング・コンサーンの考え方を元に、企業として、そしてそこで働く個人としても、誰かの役に立ち、感謝されながら適切な報酬を得ることが、結果としてより良い社会の実現につながっていくと考えています。

 


いいスタートアップ企業はどのような観点から見分けていますか?


スタートアップ企業の場合は、特に経営者が重要だと思っています。

いい経営者を見分ける具体的なポイント、コツがありましたら教えてください。

私が申し上げるのもおこがましいのですが、個人的には、経営者の誠実さ、人を惹きつける魅力、やりきる力は特に重要だと思います。
監査法人という立場から見ると、誠実であることは非常に重要です。上場後に粉飾決算のような事態が生じると甚大な悪影響が生じるので、そういうことを絶対しないという観点からも誠実さは極めて大事です。経営者が誠実であるかどうかの一つの判断材料として、主語が「会社」か「自分」であるかを確認するようにしています。今までの経験上、主語が「自分」であった経営者より、「会社」であった経営者の方が誠実で成功している印象があります。
手前味噌ですが、弊法人理事長の鈴木は、創業前から今に至るまで、常に主語が「ESネクスト」です。私がESネクストに参画した理由の一つでもあります。

また、人を惹きつける魅力や熱量も当然必要です。「組織は戦略に従う」、「戦略は組織に従う」という両面の言葉があるとおり、いずれも甲乙つけられない重要な要素だと思っています。CEOは「戦略」という絵を描く能力と人を集める能力の両方がどうしても重要になると感じています。それこそ少年漫画の王道の話のように、常に夢を語りながら、夢を達成するために必要となる人をどんどん集めて1つの組織にすることができる、そんな力を持っているかどうかは大事なポイントだと思います。
さらに、どんな経営者も当初の計画どおりスムーズに成長できることは極めて稀だと思います。途中で大変なことが起きても、漫画の主人公のように心折れず最後までやり切ることができるという点は、非常に重要な素質だと思います。

今、注目している業界、業種がありましたら教えてください。

繰り返しになりますが、ESネクストでは、次世代の経営者・次世代のビジネスを支援するというターゲティングをしているので、基本的に業界・業種で切ることはしておらず、社会課題解決を通じて、令和に成長する(であろう)ビジネスモデルのクライアントが多いです。
あえて個人的な興味で申し上げると、これからの日本においても教育・農業は特に重要と考えているので、EdTech・AgriTechと呼ばれるビジネス領域の会社様には頑張っていただきたいと考えています。

 

落合様の今後の展望をお聞かせください。

短期的な目標としては、ESネクストが企業成長を支えるインフラとなるためにも、年間IPO社数1位を達成したいと考えています。スタートアップの監査法人という観点では、VCや証券会社、監査法人業界などには少しずつ認知されるようになってきたものの、一般の方や他の業界にはまだまだなところがあります。
名前自体の認知度もこれからだと思っているので、まずは1位という目標を早期に達成して、認知度を上げたいと思っています。

中長期的な目標についてはいかがでしょうか。

人事採用担当という立場で申し上げると、「次世代の経営者を支援できる人財」を採用・育成したいと考えています。ESネクストでしっかりと成長したメンバーが、ESネクストでパートナーとなったり、事業会社のCFOとしてIPOを達成したり、独立して社外役員やコンサルという立場でIPOに関わったりして、スタートアップ業界でESネクスト出身者を増やすことができたら良いなと思っています。監査に戻ってきてほしいと言う気持ちもある一方で、監査以外でさまざまな活躍の道が開けることは、会計士の魅力の一つだと思います。
ESネクスト出身者は良い人財が多いよね!と言われる世界観を造るためにも、ESネクストでしっかり修行して一人前になって、いろんなところで活躍してもらえたらいいなと思っています。


落合様、様々な質問にお答えいただきありがとうございました!

 

ESネクスト様の企業情報はこちらをご覧ください。


その他、お問い合わせがございましたら、下記からご相談ください。

 


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