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海外進出のポイントを紹介!

更新日:8月23日



今回インタビューさせていただいたのは、海外進出を目指す大手企業や起業家を支援するPacific Sky Partners 代表・AZCA パートナーの村瀬 功(Zak Murase)様。キャリアはエンジニアからのスタートだった村瀬様が、今では起業家のサポートをしていらっしゃるという。その経歴や現在の取り組み、シリコンバレーから見た日本を熱く語っていただきました!

 

記事は前半と後半に分けて配信をしています。前半は、村瀬様のご経歴から現在の起業家支援を行うことになった背景をお届けしました。今回は、日本企業や起業家が海外進出で成功するためのポイントや課題をお伺いしました! 



プロフィール:

1994年慶應義塾大学環境情報学部卒。ソフトウェアエンジニアとしてソニーに入社後、1998年にパソコンVAIOのプロダクトマネージャーとしてシリコンバレーに赴任。米国PlayStation Network、光ドライブ事業、UX開発におけるスタートアップとの協業などを経て、2013年に米国ソニーを退社。日系ベンチャーキャピタルのシリコンバレーオフィス代表としてKDDI、三井不動産などのCVCファンドからのアメリカのスタートアップへの投資を担当。     2017年独立しPacific Sky Partnersを創業。日本企業のシリコンバレーにおけるCVCファンド設立支援や、Plug and Play Japanで日本のスタートアップへの投資ヘッドなどを経て、現在はクロスボーダーのコンサルティングファームAZCAのパートナーとして日本企業の新規事業開発の支援を行うプロジェクトを推進している。



目次:


 

前回は、村瀬様の経歴や現在の取り組みについてお伺いしました。少し視点を変えて、日本企業や起業家が海外進出する際に大事なことをお伺いしていきます!ズバリ何が重要だとお考えですか?

英語力と、起業家としてのマインドセットですね。シリコンバレーはネットワークが全てと言っても過言ではないので、絶対にクリアしなければならないことだと思います。英語力が大事なのは大前提で、もう一つのマインドセットは英語力と関係あると言えば、あるんですよね。例えば、英語はそこまでできなくても、こちらで通用する人ってたまにいるんですよ。そういう人は、起業家向きの考え方をしている人たちだったりします。英語を使わなきゃいけないっていうのは、コミュニケーションをするからであって英語は手段なんですよね。


上手下手というよりも人間性だったりしますか?

こちらの人々は、とても”人”を見るんですよ。 ”人”を見た時に、別に言葉の上手い下手を見るわけではなくて、どれぐらい人に伝えようとしてるかとか、どれぐらい人を巻き込む力があるかとか、どれぐらい突破力があるかとか、やっぱりそういうところで成功するかしないかっていうのが、大きく変わってくるので。だから、英語ができないから、と閉じこもっちゃうんじゃなくて、 英語ができなくても起業家としてのマインドセットがあれば、やり用はあるんですよと。ということが言いたいことですね。


先ほど、「シリコンバレーではネットワークが大切」とのことでしたが、どのくらい大切なんでしょうか?

シリコンバレーには、世界中からものすごい数の、しかも優秀な起業家が集まってきます。その分投資家も、またそこで何か一緒にやりたいっていう事業会社もいっぱいいます。もうとにかくものすごい数の人が集まってくるわけですね。その中で、何か人と違う、目立たなきゃいけない、この人とだったら何かやりたいって思わせなきゃいけない時に、相手側はどういう基準で選ぶかっていうのを考えると、何も知らない人が来て「一緒に事業をやりましょう」と言うのと、今まで仕事を一緒にしたことがある人で「この人だったらとてもうまくいく」「この人とまた機会があれば一緒に仕事をしたい」って思う人から紹介された人のどっちを取るかと言えば、やっぱり信頼できる人から紹介してもらった方が絶対にリスクは低いし、うまくいく確率が高いわけです、当たり前ですけど。
で、そう考えていくと、本当にそういうできる人に繋がろうと思ったら、やっぱりコネクション、人脈がないと繋がれない。だからビジネスをまず聞いてもらう、興味を持ってもらうための突破口としてネットワークが本当に重要。起業家にしても、投資家にしても、あるいは企業からの赴任者にしても、ネットワークの有無でできることに雲泥の差がついてしまいます。


ネットワークの構築になると、現地での活動がメインになるかと思います。これからアメリカでチャレンジしていきたい方々が、日本での準備期間の中でやれること、やっておいた方がいいことはありますか? 

結局英語のところに戻ってきてしまうんですが、レベルの違いはあるにしても、とりあえずネットワークに入るには、自分と知り合いになってもらう理由を作らないといけないんですよね。SoftBankの孫さんみたいに誰も持ってないぐらいのお金を持ってきて「投資したい」と言えば、それはもうみんな話聞きますよ。でも、そこまでの人はなかなかいないのと真似できないので、せめて自分にしかできないユニークなものを持っているか、もしくは何もないんだったら、「この人と一緒にいたら楽しいな」と思わせるくらいのスモールトークができないといけなんですよ。実はイベントに参加することと同じくらい、イベント前後のスモールトークが大切なんですよね。


スモールトークとは具体的にどのようなことですか?

ネットワーキングの場でのコミュニケーションのことです。
例えばピッチイベントのためにピッチの練習を一生懸命日本でして、シリコンバレーに来てピッチをやりますっていうのは、誰でもできます。だけど、ピッチが終わった後に、ネットワーキングの機会でいろんな人と仲良くなれますか?って言うと、それができる日本人がなかなかいない。みんな萎縮してしまって、ピッチ後のネットワーキングでほとんど現地の人たちと会話をしないんですよ。
でも、スモールトークはそんなに難しいことではなく、日本である程度練習できます。今の時代、ネット経由でどこでも誰とでも会話ができるので、そういうスモールトークの練習を積み重ねることで、現地の人と話す機会が増え、コネクションが増え、チャンスも増える…という形で繋がっていくんです。


ピッチっていう表舞台だけじゃなくて、アンオフィシャルな裏のところで作るネットワークが大事で、それを作るためのスモールトークができるかどうかっていうのが意外と大事になるんですね。

そうなんです。ピッチをやるにしても。日本人って、あんまり大きい話をするのが苦手なので、そういうところでもビックトークは大事ですよっていうことをみんなには教えたりするんですけど、ビックトークと同じくらい、スモールトークも大切なんですよね。

 

次は海外進出のコツをお聞きしていきます!



海外進出&成功している企業の特徴、また上手くいかない企業の特徴があれば教えてください!

スタートアップで言えば、当たり前のことですが、こちらの市場と顧客に向き合って、本当に欲しいと思われるプロダクトを作っているかどうかですかね。大企業はほとんどの場合、意思決定者が現地にいるかどうかで大きく変わります。


市場や顧客と向き合うというのは、具体的にどのくらいの期間で、どういうことを皆さんやってらっしゃるものなんでしょうか?

まずプロダクト自体も2つのパターンがあって、日本である程度できたものを持ってきて、こちらで広げていきたいっていうのと、最初からこっちの顧客向けに作りたいっていう、2つがあって、やっぱりおすすめしたいのは断然後者なんです。日本の顧客とこっちで相手にしたい顧客って、やっぱりいろんな意味で違うので、日本向けに作ったものがそのままアメリカで通用するパターンってそんなに多くないんです。なので、スケールさせたいんだったら、最初からこちらの顧客に向けて0からプロダクトを作る方が絶対に近道なんです。
一つの例ですが、うちに2ヶ月ぐらい滞在していたスタートアップの6人組がいて、彼らは最初からグローバルでスケールさせたいっていうのがあったので、うちに泊まりながら、近くの大学のキャンパスに行ってそこで学生にインタビューをしてました。サービスのターゲットが若い学生向けだったので、スタンフォードにも行ったし、近所のカレッジにも行ったし、本当にいろんな人に声をかけてましたね。その中で、自分たちが仮説として持ってた「こういうのをこういう風に作ればいいんじゃないか」っていう構想をどんどん検証していって、自分たちのプロダクトを磨いていったっていうのがありました。


現地での開発体制やプロダクトのローカライゼーションみたいなところで苦労される方や企業は少なくないと思いますが、一度現地に行って開発を進めた方がいいのか、ある程度日本でもやれることは多いのか、こちらについてはいかがでしょうか?

断然、現地に来てしまった方がいいですね。やっぱりこちらに来ないとわからないところって大いにあります。いくらネットで繋がってるとはいえ、現地でできることと日本にいながらできることには大きな違いがあるので、本当に来た方がいいのはもう間違いないです。とはいえ、こっちに来てやりたいと考える起業家が直面する課題としてビザの問題がありますが…。


限られた滞在期間の中でやるべきことはどのようなことでしょうか?

現地ですべきことは2つあって、1つ目はネットワークをしっかりここで作るということ、2つ目は顧客と対話しながら、本当に顧客が求めるプロダクトを作るということ、そのための情報収集や現地の声をとにかく聞くべきですね。ネットワークのきっかけだけこっちで作れば、帰国後に繋がった人とオンラインで話すことはいくらでもできるので。でも最初の入りがオンラインだとなかなか関係性を築くのは難しいので、先ほど言った2つをとにかくやった方がいいと思います。


いろんな観点からありがとうございました。最後に、村瀬様から海外進出を目指す起業家や企業の担当の方に向けて、ぜひメッセージをお願いします。

今の時代、ネットでもなんでも、どんな情報でも取れる状態になったとはいえ、やっぱり実際にこっちに来てみて、こっちに滞在して見える世界っていうのは、日本からはまだまだ見えないんですよね。なので、ネットなどの情報だけで分かった気にならずに、とりあえず来てみるっていうことを本当におすすめしたい。その上で、「やっぱり自分は日本でやるだけでいいや」っていう人は別にそれでも全然いいと思いますけど、生の状況を見ないで、勝手に決めつけて終わっちゃうのはすごくもったいない。さっきも言った通り、ポテンシャルのある人もたくさんいるのに、それが活かされてないっていうのが、本当に1番日本にとっても損だし、もったいないので、少しでも興味がある人はどんどん来てみてほしいっていうのが1番のメッセージです。
それなのに、英語が喋れないとか、さまざまなハードルがあって、せっかくあるポテンシャルが全然活かしきれてない歯痒さがあり、そのギャップをどうやったら埋められるんだろう、と考えた時に、もっとシリコンバレーに来やすくするような、「こういう環境があるんだったら、大変かもしんないけどちょっと挑戦してみよう」って思えるような人たちを増やしたいという想いがあります。


村瀬様ありがとうございました。


記事でもご紹介した通り、村瀬様は海外進出を目指す起業家のサポートをしていらっしゃいます。

海外進出を目指しているけど、滞在場所や費用面など不安なことがある…という方は、ぜひ一度お問合せください。


 

撮影裏話

インタビューの中で、村瀬様は英語力を重要視されている印象を受けました。「英語もそこまで自信がないな…」という方向けに、「これをやれば現地の人の心を掴めるよ!」というTipsを教えていただきました!





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